【マンション防災】「隣の人の顔を知らない」が、実は最大の防災リスクという話
こんにちは!「マンション防災」へようこそ。
突然ですが、あなたのマンションの「お隣さん」の顔や名前、パッと思い浮かびますか?
「いや、廊下ですれ違ったら釈迦レベルの釈釈会釈(かるく釈釈)をするくらいで、名前も家族構成も知らないな……」
という方、多いのではないでしょうか。都市型のマンションなら、それがごく普通の距離感ですよね。プライバシーが保たれていて快適。それ自体は素晴らしいことです。
でも、「いざ大地震が起きたその瞬間」を想像してみてください。
エレベーター停止。停滞するインフラ。「個室」が「孤島」に変わる時
大きな揺れが収まったあと、マンションで真っ先に起きるリアルな問題。
エレベーターは全台停止(復旧まで数日〜数週間かかることも)
水が出ない(増圧ポンプが止まるため)
排水制限(下水管の無事が確認できるまでトイレが流せない)
そう、マンションは災害時、「高さ数十メートルの巨大な垂直の孤島」と化します。
自室に閉じこもって備蓄のカップ麺を食べているうちはいいでしょう。しかし、もしドアが歪んで開かなくなったら? 高齢の住人が階段を降りられなくなっていたら? 排水管が壊れているのに上の階の人がトイレを流してしまって、あなたの部屋に溢れてきたら……?
ここで威力を発揮するのが、ハザードマップでも非常食でもなく、「隣人とのうっすらとした関係性」なのです。
マンション防災の真髄は「ローテックな人間関係」にある
「防災対策」というと、ソーラーパネルを買うとか、ポータブル電源を準備するとか、ガジェットに走り勝ちです(もちろんそれも大切ですが!)。
ですが、マンションという構造物において最強の防災システムは、「ゆるいコミュニティ」です。
親友になる必要はありません。連絡先を交換する必要すらありません。
「あの部屋には赤ちゃんがいるな」
「あそこはおばあちゃんの一人暮らしか」
「あの人は日曜の朝によくDIYをしてるから、工具を持ってそうだ」
お互いに「どんな人が住んでいるか」をなんとなく把握しているだけで、非常時の救助スピードも、トラブル(騒音やトイレ問題)の回避率も格段に上がります。
明日からできる!最もハードルの低い「マンション防災」3選
ゴツい防災グッズを買う前に、今日からできる「独創的な防災アクション」をご提案します。
「おはようございます」の語尾を0.5秒伸ばしてみる
挨拶をスルーしない。挨拶をする人だと認識されるだけで、災害時に「あのアパートのあの人は大丈夫か?」と真っ先に思い出してもらえる存在になります。
ベランダの避難ハッチ(隔板)の前を片付ける
これは物理的な優しさです。いざという時、隣人が蹴り破って逃げてくる場所。そこにゴミ箱や鉢植えを置かないことは、そのまま「隣人への命のバトン」になります。
マンションの防災訓練に「冷やかし」で参加してみる
顔を売る絶好のチャンスです。「真面目に参加する」必要はありません。スタンドパイプの使い方を眺めつつ、「へえ〜」と言いながら周りの住民の顔をなんとなく覚えて帰る。これだけであなたの防災レベルは跳ね上がります。
おわりに
マンション防災とは、単に「パンの缶詰をストックすること」ではありません。
「同じ屋根(天井と床)を共有して暮らす見知らぬ同居人たちと、いかに平和に危機を乗り越えるか」という、究極のコミュニケーションゲームです。
次にエレベーターで誰かと一緒になったら、ぜひ心の中でこう思ってみてください。
「この人も、いざという時の避難チームのメンバーなんだな」と。
いつもの挨拶が、ほんの少し温かいものに変わるはずですよ!